◆友達?◆

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「ちょっとぉ~、お菓子はまだなのぉ~?」 麗鈴は家中に響く、後妻の声に顔をしかめた。 周りを見れば、侍女たちが忙しく立ち回っていた。 多少のイラつきを抑え、靴を脱がずにそのまま侍女たちの寮へと向かう。 寮は閑散としていたが、数人だけがなんとか残っていた。 暇そうに見えて暇ではない彼女を横目に、麗鈴はある部屋へと向かう。 そこは、麗鈴にとって、母親が死んでからも、本当の母親のような存在の人がいる所だった。 「失礼する」 小さく断りを入れて入ると彼女は裁縫をしていた手を止めた。 「気にしなくていいのに」 「いえ、一様は、お嬢様ですから」 悪戯っぽい笑みを浮かべ、手招きをする。 麗鈴は素直に応じ、今日の出来事を話した。 すると、彼女は優しい笑みを浮かべた。 「良かったですね。私少々心配しておりましたよ」 安堵した声。 それに、かすかに麗鈴は疑問を感じる。 友達。 知人。 まだ、どちらの側なんだろう、と。 とりあえず、彼女に余計な心配をかけないために、何も言わないことにした。 そうして、しばらく無言で一緒に座り、彼女と時間を共有するのが麗鈴は好きだった。 しかし、今日は違った。 「お嬢様……」 沈んだ声。 それに、麗鈴は嫌な予感がした。 無言で先を促す。 彼女の言葉は、淡々と綴られていく。
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