63人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
7月26日。アイツの誕生日。
この日はアイツに呼び出されてたし、まあ一人暮らしだから寂しいかもしれないと思ってアタシはアイツの部屋にお邪魔した。
他愛もない話をしてケーキをご馳走になりながらアイツの二十歳の誕生日を祝った。
突然アイツが顎を掴んでキスしてきた。
なんども触れるだけの口付けを交わす。
「メイ、ちょっとだけ口開けて」
(アイツは出会った時からアタシの事を下の名前で呼ぶ)
アイツはそっと唇に触れて開いた隙間から舌を滑り込ませた。
最初はどうしていいかわかんなかったけど次第に何も考えずお互いの唇を貪りあった。
快楽だけが体を支配する。
唇を離すと銀の糸がお互いをつなぎ、ぷつりと切れた。
何度も何度も深い口付けを交わすうちに次第にエスカレートしてアイツはアタシの服の裾から手を入れて背中を撫で回し始めた。
さすがにこれはちょっと抵抗した。
けどそんなささやかな抵抗も虚しくアイツはついに胸まで触ってきた。
「やだ!やだやだやだやだ!!」
アタシは思いっ切り足をばたつかせて床を蹴った。
これにはアイツはかなり焦った。
どうやら下の階や隣の部屋に響くらしい。
確かにたま~に隣の部屋から音楽の重低音聞こえてきてたっけ…。
最初のコメントを投稿しよう!