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9月16日。
後期が始まった。
この日はアイツが彼女と1限の刑法1を受けた日でもある。
朝から
『オオタと話とったら講義追い出された。今梨絵が受けとる』
ってメールが来た。
アホや…。
アタシは2限の学習心理学があったから講義に向かった。
終わるとアタシは久しぶりに温かいお茶飲みながら弁当を食べようと思って食堂をブラブラして席を探していた。
もしかしたらアイツの彼女に会えるかもしれないって希望的観測もあったんだけどね。
案の定、奴はいた。
手を振ってアタシを招いた。喜び勇んで行くとアイツの前に麗しい女の子が。
それが彼女、楠木梨絵だった。
身長は高め、ウェーブがかかったセミロングの髪、白いブラウス、スカートから覗く脚はしなやかで色白。
おまけに気品すら漂う落ち着いた穏やかな顔。
アタシは彼女に見とれた。
「よ…よろしく!!」
「うん、よろしくね」
はぁ~…
アイツが惚れるわけだ。
こういう清楚な人好きっぽいからなあ。
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