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当時のアタシはまだ田舎から出てきたばかりで町の空気に馴染めていなかった。
しかも通っていたのは短大や国公立大じゃなく私立の総合大学。
あの人混みにアタシは少々疲れていた頃だった。
そんな時にアイツが声をかけてきた。
「前回の分のノート見せてもらってもいい?」
「字、汚いけど?」
「ん、貸してくれるだけでありがたいから気にしないよ」
アイツは石本淳(いしもとあつし)と名乗った。
初めてできた男友達だったからすごくうれしかった。
だって、アタシは女子校出身だし元々男の人とそんなに話す方じゃなかったから男友達なんていなかったし。
結構同じ講義を取ってたから必然的に一緒に居る時間が増えてアイツの部屋に上がって一緒に勉強したりもした。
夜は夜でメッセで色々な話をしたり時々一緒にご飯食べたりした。
アタシ達は急速に仲良くなった。
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