無視されるアイツの気持ち

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アタシのアイツへの心は益々頑なになって行った。 その反動かどうかはわからないけどアタシは新井さんに惹かれた。 優しくて大人で紳士。 アイツとはほとんど正反対だった。 夏休み中に何を思ったか新井さんを高校が一緒で心友とも呼べる(とアタシは思ってる)三浦由希子に紹介した。 でもこれははっきり言って失敗だったと思う。 みうらさんには悪い事したかもね…。 でもどうしてか、みうらさんには知ってもらいたかった。 10月に入った。 アタシは新井さんに強烈に恋い焦がれた。 それが本当に恋愛感情なのかただの尊敬の気持ちなのかわからないくらいに。 この月は確か京都の博物館に行った。 アタシは以前「博物館に行ってみたい」って言ったから。 博物館を堪能して外に出るとまだ時間があったから清水寺に行った。 清水坂は人が凄すぎてうっかりするとはぐれそうだった。 「はぐれそうだから手をつなぎませんか?」 「はい…」 この時、きっとアタシの顔は真っ赤だったんじゃないかな? その日はずっと手をつないで歩いた。
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