転機

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アイツはいっつも思わせぶりな事ばかり言って来る。 でもアタシは彼氏なんかつくる気は毛頭なかったから全部受け流してた。 正直、自分がかわいいなんて思ってなかったし、むしろ背が高くてかっこいいの部類に入ると確信してた。 だからアイツが「可愛い」なんて言うのが許せなかった。 しばらく経ったある日。 記憶だと確か6月頃だった気がする。 アイツは告白したと突然言ってきた。 何よ!そういう人いるんじゃない! アタシはアイツが「可愛い」と言うのが益々許せなくなった。 だから髪を短くしていつもGパンTシャツ中学校の鞄なんてラフな格好で登校してた。 親がすごく嫌そうな顔してたっけ…。 言葉遣いもアイツの前でだけわざと男みたいな喋り方をして一人称を「俺」に変えたのもその頃 それでもアイツは一度も「可愛くない」って言わなかった。
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