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「あの高さはどれ程でしょう?」と貴方は言っていた
幼いころ お月さまの下でキラキラの満ち欠け辿って遊んだ
遣らずの片時雨
紫陽花と琥珀色した月は汀で踊る
それぞれを讃えながら
一つ棘に触れるたび 消えていく
ひとつもこぼさぬよう
てのひらですくってためた月はなくなっていた
さよなら 白面に照らされた
指先にとまる番の蝶
キラキラと光る雪は
貴方のような気がして
息が出来なくなった
指に絡む蜘蛛の糸
私 私の顔が無い
のぼっていく 消えていく しゃぼん玉
壊さぬように
大切に大切にしていたのに
私はここにいるよ ねぇ 神様
湖面の波紋にのり ゆれながら
綺麗に飾った蝶はガラス玉
いつからだろう
何も無い私
蝶が飛べたのは
いつもいつも 貴方がいてくれたから
さよなら 物言わぬ者たちよ
きっとずっとそうなのでしょう
キラキラと光る月は ああ 雪色の蝶に溶け 涙になった
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