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「何だ、心配して損した」
「……何それ」
「あっ!!」
呆れ顔の凛をよそに、突然思い出したように日向が声を上げる。
「昨日! あの後どうなったの!? その為にメールしたのに!!」
――きたっ――
凛は内心ドキリとした。
「昨日? ……あぁ。呼び出しね。大した事じゃなかったよ。ちょっと日本史の成績悪いからちゃんと勉強しなさいって、それだけだったよ」
凛は、昨日混乱する頭で何とか考えておいた通り日向に説明する。
昨日の事は日向には言っておくべきかとも思ったが、今はまだ言わない方が賢明だと判断したのだ。
「……それだけ? それだけの事で社会科準備室?」
若干疑いの眼差しを残したまま、つまらなさそうに日向。
「……それだけだよ?」
「愛の告白は?」
――『俺の彼女になる事』――
凛は昨日要に言われた事を思い出してしまい、自分の顔が赤くなっていないか心配だった。
「そ、そんな事ある訳ないって言ったでしょ。だいたい、もしあったとしてもあんな鉄仮面こっちからお断りよ」
「なんだぁ。つまんなーい」
その反応からするとバレてはいないようだったが、日向は心底残念そうに言って肩を落とす。
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