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「こ、今度はって……失礼ね。私は相沢君みたいに何度も生活指導室に呼び出されたりしてませんから。一緒にしないでくれる?」
「あぁっ……悪い悪い。そんなつもりで言ったんじゃないんだよ」
彼――相沢春季の言葉は思った以上に凛を憤慨させてしまったらしく、慌ててその場を取り繕おうとする春季だったが、時既に遅し。
「じゃあどう言うつもり?」
「うっ……」
恨めしそうに見てくる凛にヘラッと笑っていた春季は思わず息を呑んだ。
更に慌てた彼がどうにか話題をそらそうと目を付けたのは、今だにトリップしている日向の姿だった。
「あいつ、また変な妄想に走ってんの?」
特にその必要も無いのに、何故か小声でそう凛に尋ねる春季。
「あぁ……まぁね」
「今度は何?」
「……私が先生に告白されるんじゃないかって」
「えっ!?」
その問いに凛がチラリと日向に目をやりながら答えた途端、春季が大声を上げた。
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