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「はぁ? 何言ってんだ? 目、おかしくなったか?」
「えと……あの、私の目云々と言うよりも、先生? ……いつもと話し方……とゆうか、もう根本的に人間自体が違ってる気がするのですが……」
「あぁ……これね。一応生徒達の前ではいつも真面目な先生のふりだけでもしとかなきゃ、だろ? それにこの方が鬱陶しい女子生徒とかも寄ってこなくて便利なんだよ」
途切れ途切れになりながらも何とか言葉を絞り出す凛に、要は悪びれた様子も無く淡々と言ってのける。
――は? いつものは真面目なふり?――
「あの……私も先生が言う、その鬱陶しい女子生徒の内の一人だと……」
「お前はいいんだよ」
やや遠慮がちに言う凛に要はあっさりと言い返すと、言われた事の意味が今一理解できないのか、怪訝な顔をする凛を無視して話題を元に戻した。
「それで。話聞いてたのか? お前今日から補習だからな」
「へ? あっ? えっ? そう! 何で!?」
「何でって……」
――ある意味本気で言ってんのかよ、コイツ……――
「今のお前の日本史の成績、相当ヤバいんだって……って、さっき言っただろ?」
全く思い当たる節すら無いのか、おたおたと慌てる凛に、要は呆れ顔で先程と同じ答えを返してやる。
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