満月の夜/錦戸亮

14/24
前へ
/35ページ
次へ
    「真白っ!!」       俺は慌てて駆け寄り、俯せに倒れている真白を抱き起こした     ―ヌルッ     「えっ……」       抱き寄せた小さな肩は氷のように冷たく、掴んだ細い腕は…         生々しい真紅の雫を滴らせとった       「何やねん、コレ…」       月灯りの下でもはっきりわかる幾つもの腕の創     その中の1つはまだ新しく、そこから深紅の雫が溢れていた    
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加