始まりの負

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そんな少女を、さも迷惑そうに一別する。 「なんですか? いきなり。」 そんな“彼”の話を聞いていないのか、少女は続ける。 リョーコ「私はリョーコ、よろしくね。君は?」 無言の“彼” リョーコ「名前!君の名前は?」 「…。そら…、よろしくリョーコさん。」 “彼”は答えた。 そのときから、彼は変わり始めた… 恐怖の対象でしかなかった女性に… 彼女に疎ましさを感じなくなってきていたのだ。 ほどなくして、二人は惹かれ合いそして付き合った。 充実した日々、“彼”が感じる初めての幸せの日々。 何も持たなかった“彼”にとってリョーコは、唯一守りたいと心から思う人だった。
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