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「え、彼来てくれたんだ?」
ゆずゆは三花に昨日の出来事を伝えた。
三花は自分の事のように喜んでいる。
(ありがとう)
改まって言うゆずゆに三花は照れたように
「ううん」
と笑った。
(あたし人を好きになってもいいのかなぁ…)
自信なく言うゆずゆに
「当たり前でしょ?」
と笑う三花。
(…でも、あたし耳ダメになってみんな離れていった。みんな可哀想な目であたしを見て、優しくはしてくれてもそれ以上は絶対にないじゃない…)
「じゃあ私はなんなのよ?」
三花は少し怒った顔で言う。
「私はゆずの事可哀想なんて思ってないよ。だってゆずは耳がダメになってもなんにも変わってないじゃない。ちょっと意地っ張りになったけどね」
意地悪っぽく笑う三花にゆずゆもつられて笑う。
「彼は違うかもしれないって、そう思えたんでしょ?」
その言葉に小さくうなずくゆずゆ。
「じゃあ頑張んな」
三花はそう言ってまた笑った。
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