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「ねぇ、ゆず」
(なに?)
「昨日は私のお陰で助かったんだよね?」
(うん?)
「じゃあ今度の日曜私に付き合ってくれるよね?」
意味深に笑う三花。
(…うん?)
ゆずゆは半信半疑でうなずいた。
同じ頃…。
「なぁ、直秋頼むよー」
「あー?」
「今度の日曜!どーしてもお前がいないと困るんだよー」
「なんで?お前デートなんやろ?こないだから浮かれてたやんか」
「だからー、それがお前がいなきゃ困るんだって。お前日曜休みだろ?」
施設で食事の準備をする直秋に同期で一番の友達の光一がまとわりつく。
「なんで俺がおらなアカンねん?」
「連れて来るって言うんだ、友達を」
「へー」
「その友達、耳が聴こえないんだって!聴覚障害ってゆうの?」
「え?」
「お前手話できんだろ?だから!」
必死に頼む光一に曖昧に返事をしながら、
(まさかなぁ)
と直秋は思った。
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