親友。

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「直秋っ」 と手を挙げる光一。 「ごめん、遅れた…」 息を整え顔をあげると直秋はゆずゆに気付く。 「マジで?」 光一に話しを聞いた時まさかと思ったが本当にゆずゆだったとは。 「三花ちゃんと友達のゆずちゃん。こっちが…」 「直秋くん…」 光一が紹介する前に三花が言った。 「え?知り合い?」 「うん、ゆずが…」 「ゆずちゃん?」 不思議そうな光一。 「まぁ、ちょっとね」 と直秋。 ゆずゆは直秋の登場にどぎまぎしていた。 「じゃあ、行こっか」 光一に促されみんなで遊園地の中へ入った。 光一は当たり前に三花の横を歩き、嬉しそうに話している。三花もまんざらでもない。 ゆずゆは少し緊張しながら直秋と並んで歩く。 「びっくりやな」 手話でゆずゆに話しかける。 (うん、ホント驚いた) 「大学の友達?」 (唯一のね。幼なじみなの) 「そうなんだ」 (そっちは?) 「同じ職場やねん、同期」 (そう) 「ねー、なんか乗ろうよー」 前を歩いていた三花が振り返って言った。
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