芽生え。

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(これ、どうもありがとう。昨日から探してたの、ホント助かった) 「そっか」 昨日、感じ悪く見えたゆずゆは自分の勘違いだったのだと気づく直秋。 (君、名前は?あたしはゆずゆ。鈴谷ゆずゆ) 「俺は、高本直秋」 (あ、そうだ) とカバンの中から一枚の写真を取り出すと、直秋へ差し出す。 (これ、貰って) 「え?」 (これのお礼。他に何もないから) それは、青くキレイな空の写真。 「これ、自分が撮ったん?」 (うん。なかなかいいでしょ?) ちょっと自慢気に言うゆずゆ。 「ああ、めっちゃキレイや。ありがとう」 そう言って笑う直秋に、ゆずゆはドキッとする。 「ほな、俺行くわ。勉強頑張りや」 そう言って行ってしまう直秋。ゆずゆはそれを呼び止める言葉を持っていなかった…。
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