こころの壁

2/4
92人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ
数日後。 あの広い公園に直秋はいた。 休みの日はこうして公園へ来る事が多い。 手にしていたギターを取り出し芝生へ座る。澄んだ空を見上げ一つ息をついてギターを鳴らす。そして楽しそうに唄う。 引き寄せられるようにちらほら人が集まる。 ゆずゆは同じ公園でまた空を見ていた。 ふと小さな人だかりに気づく。 真ん中では直秋がギターを手に唄う。 ゆずゆには聴こえない。 でも、ゆずゆは楽しそうに唄う直秋に目を奪われていた。 聴こえなくても心に響いてくるような、そんな気がしていた。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!