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数日後。
あの広い公園に直秋はいた。
休みの日はこうして公園へ来る事が多い。
手にしていたギターを取り出し芝生へ座る。澄んだ空を見上げ一つ息をついてギターを鳴らす。そして楽しそうに唄う。
引き寄せられるようにちらほら人が集まる。
ゆずゆは同じ公園でまた空を見ていた。
ふと小さな人だかりに気づく。
真ん中では直秋がギターを手に唄う。
ゆずゆには聴こえない。
でも、ゆずゆは楽しそうに唄う直秋に目を奪われていた。
聴こえなくても心に響いてくるような、そんな気がしていた。
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