第一章

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全く!コオリの寝起きがあんなに悪いとは思わなかった!この前。確かに私達は想いを伝え合い、心を交わした。 く、口付け、もした。 けど……寝所で……あんなにピッタリ抱きしめられて、耳元で囁かれたらたまったもんじゃないっ!というより心臓が持たないっ!! 先程の場面を思い出して、ハチミツはひとり百面相を繰り広げている。怒り顔になったかと思えば恥ずかしがり、泣き顔に近くなる。 『クスクスクス』 そこに楽しげな笑い声が響く。 ハチミツは辺りを見回し、声の主を見つけ指を差した。 「あっ!あのときの白い鳥」 ハチミツを笑ったのは、近くの枝に止まる大小の二羽の鳥。 『ユビ、ササナイデヨ。シツレイナコダネ』 大きい方の鳥が言う。 「あっ!ごめんなさい。ねえ、あなた達って渡り鳥でしょ?もう旅立ったかと思ってたわ」 ハチミツは彼らに近付きながら言う。 鳥は静かにハチミツを見下ろしながら言った。 『チョット、ジジョウガアッテネ。トウブン、ココニイルヨ』 「そうなんだ。ちょうど聞きたい事があったんだ。何であなた達はあの祠の存在を知っていたの?」 目の前の白い鳥に案内された次の日。コオリとハチミツは再びあの祠を訪れ、結界の札を見つけた。 何代か前の暦神の主に結界を張る力があったのだろう。 それは未だに機能しており、この祠を誰にも発見されないように、人はもちろん動物からも遠ざける働きをしていた。 まあ、札の内容を解読したコオリが言うには、だけど。 『フフフ。ソレハヒミツ。ネエ、カタワレガキミヲミツケタミタイダヨ』 白い鳥の言葉の後、ハチミツの後ろの茂みが揺れる。 『マタネ。ムツキノアルジ』
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