第一章

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いきなり黙り込んで、真剣な表情で自分の体を凝視し始めたハチミツに、コオリは思わず吹き出す。 「ハチミツ。トケイの言ってる変化は、決してそういう事じゃないと思うんだけど?」 ハチミツはコオリに突っ込まれて、初めて自分の視線と思考に気付く。 カァァという音が聞こえそうなくらい、ハチミツの顔に赤みが差してくる。 やだ。コオリの前で真剣に悩んじゃってた……。 「馬鹿だなあ」 コオリがハチミツを抱きしめる。 そう。コオリに抱きしめられる回数が増えれば増えるだけ、ハチミツは変化を望んでしまう。    「だって。骨と皮だけじゃない……全然女の子らしくない」 「俺には十分柔らかいし、俺の中では十分女の子だよ」 また、この男は……。 口がうまいと言うか。 でも。納得なんかしないけど。 これはこれで良いか。 ハチミツはコオリに守られて、包まれて、幸せな気分で目を閉じた。 この変化のない日常の中で、彼の望む変化は何なんだろう。 確かに考えたってわからない。 それでも思いはそこに行く。 肯定し続けていく中で、変化はあるのだろうか?   本当は、こんな考えはダメなんだ。『人々の幸せ』を考えたら私は肯定し続ける事に疑問を持ってはダメ。 わかっていても『変化』という言葉は、とても魅力的で…… ハチミツの心を揺さ振り続けていた。    
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