第二章

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それが『好き』というものではないのだろうか? 墓穴を掘るコノハナの言葉に、ハチミツは首を傾げた。 ハチミツは本殿に視線を移す。 再会の儀式は終わったようだ。 紅白の光が消えていた。 しかし、十二の光が灯っていた中心が、まばゆく輝いている。 やがてその光は人型を作っていく。細部はわからないが、髪の長い全体的にゆるやかな着物をまとう姿へと変化していく。 それは光の束のままなので、表情などわかるはずもないのに……ハチミツにはそれが笑ったように見えた。 ハチミツを見つめながら優しく笑いかけている、そんな風に見えたのだった。 ぼうっとその不思議な光の塊を見つめるハチミツ。 そこに。 「何やってんの?」 いきなり真下から可愛い声が聞こえてきて、ハチミツとコノハナはびっくりする。 慌てて視線を下に移すと、ニコニコとあどけない笑顔をたたえた幼い子供がいた。 銅色の真っ直ぐな髪を両端で結んだ、濃い赤色の瞳の少女がふたりを見上げている。 年は十才程度に見える。 薄暗い中ではハッキリと確認できないが、顔の右半分に何かの模様が描かれているようだ。 赤と白のまだらに光っていた。 「えっと」 突然のことで言葉に詰まったハチミツが困ったように笑う。 まさかこっそり再会の儀式を覗いていた、などとは言えるわけがなく。コノハナにいたってはよっぽど驚いたのだろう、目を見開いたまま硬直していた。
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