第四章

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「コノハナさん!」 ハチミツが叫んだ先には、二人の男女の後ろ姿。 ハチミツの声で振り向いたコノハナが嬉しそうに笑う。 「ハチミツさん」 手を取り合って挨拶をする二人にツルミは面白くなさそうな表情。そこにハチミツに追いついたコオリがハチミツの肩に手をかけた。 「ハチミツ。紹介してよ」 コオリの言葉にハチミツは頷く。 「コノハナさん、こっちは睦月の従者のコオリ。コオリ、こちらは弥生の主のコノハナさんに……えっと」 ハチミツはツルミの紹介をされていない事に気付き、なんと説明して良いかわからず、口ごもる。 「この間はちゃんとご紹介できませんでしたものね。ハチミツさん、コオリ様、こちらは弥生の従者、ツルミでございます」 ハチミツのその反応に気付いたコノハナがそう紹介をする。 ツルミは二人にちらりと目線を合わせ、軽く会釈をする。しかし次の瞬間には目線は明後日の方向。その一連の動作にカチンときたハチミツは、この間言えなかった文句を言おうとするが、それを遮ったのはまたもやコノハナだった。 「ハチミツさん、先日はツルミがご無礼な真似をしてしまい、申し訳ありませんでした」 頭を下げるコノハナにハチミツは戸惑いながら言う。 「コノハナさんが悪いわけじゃないでしょ?いいのよ、私も感情的になってたし……」
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