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コノハナはハチミツに笑いかけ、また軽く頭を下げる。
やっぱり……この二人の関係性って変。
そう思いながらも、コノハナの微笑みを見ていると、いつのまにか笑顔が広がってしまう。
ハチミツはコノハナの両手を持ち上げ、首を横に振る。
「もういいの!ねえ、コノハナさん、今、時間ある?」
コノハナは更に微笑みを深くして頷いた。
そして、チラリとツルミを見て尋ねる。
「ツルミ……良いですか?」
ツルミは好きにすればいい、と言うようにそっぽを向く。
「じゃあ、もう少し先に中庭があるから、そこでお喋りしよう。良ければ……ツルミ君も」
コオリの提案が意外だったのか、ツルミは目に驚きを表し、コオリを見た。
ハチミツはこっそりと思う。
案外、ツルミってわかりやすいかも。
四人はコオリを先頭に神殿の廊下を歩き、中庭へと出た。
そこに建つ庵を見て、ハチミツとコノハナは同時に笑う。
「ここって、こないだの……」
そう、コノハナがトケイに見つかりそうになり、逃げ出した終着点であり、ハチミツが初めてツルミと会った場所。
コオリはそんな二人を微笑ましそうに眺め、半野外の造りになっている庵に入るように促した。
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