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「申し訳……ありません」
しばらくの無言の後、コノハナが泣きそうな声で呟いた。
その声音を聞いていると、ハチミツの中の怒りが沸点を越えそうになり、ハチミツは激しく首を横に振った。
「謝らないで。コノハナさんは何も悪くない」
ハチミツがコノハナの肩に手を置く。
「少し……不躾かもしれないけど、コノハナさんとツルミの関係って、おかしくない?何で、彼はあんなにコノハナさんに冷たいの?」
二人の関係に立ち入るには、私はまだコノハナさんのことを知らなさすぎる。
そう思いながらも、対としての繋がりが乏しすぎる二人にたいして、その疑問をぶつけずにはいられなかった。
「ハチミツ」
コオリがハチミツの肩を抱く。
「……ツルミは人見知りの激しい人ですが、本当はとても優しいのですよ。ただ……再会の儀式をしてから不安定になってしまいまして……」
不安そうに呟く、コノハナにコオリは不思議そうに言う。
「再会の儀式はアザが色付くだけで、特に支障がないと思っていたけど……?」
「わたくしもそう聞いておりましたし、わたくしは別に何ともないのです……ただ」
「ただ……?」
再び言いにくそうに言葉を切るコノハナに、コオリが催促をする。
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