笑顔の素敵な少女は天才犯罪者!?

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「チッ!逃げ足の早いヤツめ…こうなったら…!」 中々追い付けないことについに苛立ちを隠しきれなくなった帝国兵の1人が、走りながら指輪にはめ込まれた魔法石に、魔力を込めて法文(ほうもん)を唱えはじめた。 「大気に満ちし魔粒子よ、ここに集いていかづちをもたらせ…」 男の指輪から白い光が漏れる。 「また魔法かよ!?一般人相手に…いい加減にしやがれ!!」 ヴェルガは戸惑いながらも魔法から逃れるために走る足に力を込める。 すると、 「今度は雷属性の4級魔法だね。足元から半径1m前後の雷の爆発が来るよ!」 隣で走っている金髪碧眼の少女が笑顔で言った。 「来るよ、じゃねーだろ!このままだと俺たち魔法の餌食だぞ!?」 ヴェルガはまるで他人事のように話す隣の少女に怒鳴り付ける。 「うん、そうだね!」 しかし少女に危機感は全くなく、傍から見ればまるで鬼ごっこを楽しんでいるような、そんな軽さだった。 「そうだね、って…俺はそんなのはゴメンだ!!」 ヴェルガはそう叫ぶと、足にさらなる力を込めスピードを上げる。
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