memory1.『終了』

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2006年5月2日 「お兄ちゃん、お父さん、お母さん、俺は一体これからどうしたらいいんだよ。」 高校1年生の男の子はお母さんのお墓の前で立ち尽くしていた。 彼の肩は萎んだ花のように下がっていて一目で全身に力が通っていない様子が、目は瞬きをせず開きっ放しで赤く充血し愕然とした様子が伺えた。 その様子を見ていた親戚のおばさん達は、「お兄ちゃんを事故、お父さんが自殺、お母さんが病気で死んじゃうなんで可哀想よねぇ~」「ホントよねぇ~お気の毒に。」 そんな話し声が男の子の後ろからポツポツと話されている。 無論男の子にはおばさん達が話している話しなど聞こえる余地もない。
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