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無償の思いやり
『阪神淡路大震災』
皆さんもご存じの災害。
まずはこの章を書くに当たり、震災にて、ご不幸に遭われた方、そして今なお苦しまれている方の明るい未来を祈念いたします。
私は震災を免れた。
前章の通り、災害に遭うはずであった住居から自宅のある京都に引っ越していた。
震災前日には、当時交際していた女性とデートしていた。
夕方まで大阪にある海遊館という水族館で楽しんだ後、
「遊覧船で神戸に向かい食事をして神戸に泊まる」
か
「滋賀県の彼女の家の近くまで行って食事をして彼女の部屋に戻る」か。
二人は前者を選んだ。
船着き場に行ったが船は出た直後だった。
従って後者のプランに落ち着いた。
もしあの時に船に乗り、前者のプランを選んでいたら…そして震災に巻き込まれていたら…。翌朝テレビが報じるニュースに二人は恐怖を感じた。
火災、オモチャを壊したように倒れたビル、高速道。
その日から私は現代社会の便利さと弱さを体感した。
私は交際相手と半同棲状態であった為、自分が無事である事を家族に伝える必要があった。
しかし、
電話が繋がらない。
電車が動かない。
やむなく彼女の原付二輪を借り、滋賀県から自宅に帰宅した。
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