少年時代

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「吹奏楽部」 嫌々ながら入部したものの、入部してみると、まんざら居心地の悪い部ではなかった。 なにせ女子が多いだけに柔らかな雰囲気があった。 どの楽器を担当するかは基本的に希望が優先された。 正人は、トランペットという楽器を選び惹かれていった。 中学での生活にすっかり馴染んでいた。友達もたくさんできて楽しい毎日だった。 ただ…目標もないまま塾で猛勉強を強いられる事は嫌だった。 正人は早起きだった。 自宅が学校から遠かったこともあるが、なぜか早く起きる事が苦手では無いのだ。 これは今でも変わらない。夜どんなに遅くまで遊んでもほぼ目覚ましなしに起きられる。ある意味、得意技といえるかもしれない。 だから、学校に登校するのはクラスで一番早かった。 「おはようございまぁす」 いつもの様に門で出迎える先生に挨拶して、いつもの様にクラスに向かった。 ドアを開けると誰もいない教室に、いつもの様にまぶしい朝日が射し込んでいた。 いつものような同じ時間、同じ教室の風景。 ただ一つを除くと。 「……。」 全ての時が止まった。 そこにはいつもと違い 正人の机が教室の片隅にゴミで埋め尽くされて放置されていた
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