アントニオ猪木

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『俺だって生身の人間だ。とにかく最後はレスラー猪木じゃなくて、人間 猪木になってしまった』     ◆「新宿路上襲撃事件」 当時の夫人との買い物中、新宿伊勢丹前の路上を歩いていた猪木をタイガー・ジェット・シンが仲間のレスラー達と共に襲撃した。 猪木のプライベートな時間に街中で白昼に行われた暴挙。 警察が出動し、新聞紙上まで取り上げた"事件" この事件を含め、猪木とシンの抗争は激化していた。    1974年6月26日、大阪府立体育会館での一騎打ちで全ての決着をつける試合が行われた。 件の襲撃と、シンの度重なる卑劣な攻撃に対し、ついに猪木の怒りが爆発した! 試合中にシンの腕をへし折ってKO!衝撃の結末であった。   その試合後のコメントが『俺だって生身の人間だ』である。 さらに 『瞬間、腕を折ってやろうという気持ちになった。本能的なものだと思います。でも今までのことを考えれば徹底的にやって再起不能にしてしまうところだったが、レスラーとして使いものにならないのも可哀想だなという気も起きた。攻撃を止めたのは日本人の弱みだろう…とにかく後味が悪い』と続けて語った。   レスラーとしての激情、人間としての怒りと、倍返しをし切れない自制心…その心のバランスが窺い知れる瞬間であった。  
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