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「わぁ・・・!!」
そこには無数のソレが飛び回っており、樹々の合間から漏れるこもれ日を浴びて白銀に光り、時折吹くそよ風に揺られ、まるで舞い踊る雪の様な景色を思わせた…。
「れんじにもみせたいなぁ…。」
つい先刻まで喧嘩していたのも忘れ、その白銀の世界に見とれていると、何処からともなく『フワリ』と甘酸っぱい香りが鼻をかすめ、それと同時に、ほんの一瞬『フッ』と意識が途切れる感じがした。
「―――――!?」
少し前屈みになりながら右手で額を支え、倒れそうになるのを堪えていると―――
「どうしたの!!」
と、突然女の人が声をかけてきた。年は15、6歳位だろうか…身長は160cm前後、その面構えは少女と酷似しており、少女の成長した姿を彷彿させた…。ただ一つ違うのは、絃(いと)の様に細く、見事なまでの白髪だった!!
「こんにちは。」
白髪の少女が彼女に声をかけると、少し驚いた様子をみせたが―――
「こんにちは。」
と、すぐに笑顔で返事を返してくれた。
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