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「ねぇ、お名前はなんて言うの?」
「れもん…。なるみ れもんだよ。」
少女は無邪気な笑顔で答えた。
「レモンちゃんかぁ…いいなまえだね。ところで…こんな所で何してたの?」
「ん…とね。れんじとけんかしてね…、それで、もりのなかにはいったら『ゆきんこ』にあんないされたの。」
「れ…ん!!?」
ほんの一瞬、白髪の少女は驚いた様な顔付きをしたが、それに気付かれないように聞き返した。
「ゆきんこって…この回りを飛んでるこの子達の事かな?」
「うん…!!雪みたいだから『ゆきんこ』なの。」
「雪かぁ・・・。実はね…この子達の名前、『ユキホタル』って言うんだ。」
そう言いながら、白髪の少女が『ピン』と人指し指を立てると、一匹の雪蛍がその先っちょに止まった。
「ユキホタルかぁ…。きれいな名前だね。」
そう言うと少女は、うっとりとした表情でその木々に止まる雪蛍の、その白銀の世界を暫く眺めていた・・・。
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