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斗馬の右手がポールの先端をがっちりとつかみ、渾身の力を込めて身を引き寄せ、次いでその力を前へ進む力へと変える。
斗馬の体は住宅街の道路へと投げ出される。
その筈だった。
だが、実際は斗馬の体は何かに弾かれたように一度バウンドし、そのまま土手の下へと転がり落ちて行った。
斗馬は少し湿った草むらに投げ出された。すぐに起き上がって辺りを見回すと、周囲は身の丈程の草が生い茂っていた。
住宅街から微かに届く街灯の光に目を慣らし、斗馬は身を低くして辺りをうかがった。
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