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だが、その腕は斗馬に衝撃を与えるより驚きを与えた。
銀色の一閃の後、真っ黒な毛とボロい包帯が巻かれた頭が宙を舞った。
そして斗馬に降りかかったのは血ではなく枯れ草だった。
斗馬は頭から大量の枯れ草をかぶり、口を開けたまま虚空を見つめていた。
「うん、不合格! 追試決定ね」
明るい女の子の声が枯れ草の最後に降ってきた。
どこかで見たことのあるような、目の大きい女子高生が斗馬の前に立っていた。ただ普通と少し違っているのは、その手に巨大な鎌を持っていることだった。
「死神……」
斗馬がポツリと漏らすと、女子高生は口をへの字にした。
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