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 その瞬間、青い光が夜空を裂くようにして走った。光は地面に落ちると同時に青いオーロラのようなものを周囲に広げて消えた。   「お。チヅ今の見たか? 隕石かな? にしてはちと変な感じだったな」    斗馬はリードを引っ張って光が落ちた方へと足を向ける。 ――オォーン……  獣の鳴き声らしきものが辺りに響いた。そして斗馬は後ろに引っ張られた。見るとチヅが元来た道を戻ろうとしていた。   「なんだ、散歩してる人かなんかかな。チヅ、嫌いな雄犬かなんかなん?」    斗馬は後退するチヅと光が落ちた方とを交互に見た。  風が斗馬の背後から草木を鳴らして一気に前方へと吹き抜けた。その風の冷たさに斗馬は体を震わせた。  犬の低く唸る声が聞こえてくる。   「野良犬? チヅ、帰ろう」    斗馬の言葉に、チヅはジリジリと後退し始めた。何かに警戒し続けている――そんなチヅの普通ではない行動に、斗馬は来た道を走り出した。  だが、それと同時にガサガサと音を立てて何かが追ってくる。  風ではない、何か。
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