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美優と別れ家に帰ると、ソファーで眠る雫がいた。
「…姉ちゃん、風邪ひくよ?」
声をかけるが、反応はない。
雫の茶髪の髪を撫でながら、そっと頬に手を伸ばす。
「…雫。」
名前で呼びながら、スヤスヤ眠る雫の唇に、自分の唇を近づけた。
「…ん」
ピタッ
後、数センチのところで雫が声を出す。
ゆっくり俺は、雫から離れた。
自嘲気味の笑みが零れる。
「…なんで、姉ちゃんなんだよ。」
虚しい俺の声だけが、部屋に響いていた。
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