気付けばそこは地獄だった

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健二が殺された頃、隆史はそんな事を知るわけもなく、彼女と映画を見ていた。 「ねぇ隆史?隆史!」 「ん?あ、ああ、なんだ?」 「映画終わったけど!」 「あれ?俺寝てた?」 「開始五分でイビキかいてた!」 「ご、ごめん。あまりにも眠くて。」 「もったいなぁーい。せっかくのジャッキーチャンの格闘シーン見ないなんて。」 「まぁDVDになったらまた見るよ。」 「ねぇお腹すかない?ご飯食べに行こッ♪」 「何食べんの?」 「お寿司♪」 隆史は財布を確認する。 「…マック。」 「じゃあステーキ♪」 隆史は財布を確認する。 「…マック。」 「じゃあファミレス♪」 隆史は財布を確認する。 「…マック。」 「この貧乏人!ファミレス行くお金もないの?」 「ちょっと昨日お金使っちゃって。」 「またキャバクラ行ったんでしょ!マジ信じらんない!」 「ち、ちげーよ!」 「じゃあ何に使ったのよ!」 「…」 「ほらやっぱりキャバクラじゃない。あんたマジ最低!」 「ほら。」 隆史はポケットから小さな小箱を取り出した。 「何よ?」 「プレゼント。」 「え?私に?」 「当たり前だろ!早く受け取れよ!」 佳奈は中を開けると指輪が入っていた。多分20万は下らないだろう。ダイヤが散りばめられている。 「本当は夜渡そうと思ったけど、お前が変な事言うから今渡すしかないだろ!」 「あ、ありがとう」 佳奈はまだ状況を理解してない。
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