慌ただしい朝

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ホテル大西は俺が働いている職場なのだ。 「死体の身元はまだわかっておらず、…え~お食事中のみなさま申し訳ございません。死因はまだわからないそうなのですが、バラバラだそうです。目、耳、手、指、舌、そして…心臓が無造作にばらまかれていたそうです。」 「オエッ。」 目玉焼きを食べようとしたが食欲を失った。 「身元がわかり次第速報でお伝えします。それにしても残虐な犯行ですね。」 俺は今からそんな会社に出勤しなきゃいけないと思うと気が重かった。 「休もうかな」 昔から明るく正義感は強かったものの、あきやすく、諦めやすい性格だった。 ピリリリ!突然携帯が鳴った。 「はい!」 「おう中村か!ニュース観たか?」 「健二か。観たよ、誰がやられたんだろ?」 「わかんねぇけどよ、会社がいま取材やら何やらで大変だから至急出勤しろって!」 「…マジ?」 「マジだよ!じゃあ会社で待ってるからな!」 「ちょっ!」 プーップーッ 「切れちゃった。はぁ~ダリィなぁ」 俺は渋々支度を始めた。
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