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ガヤガヤガヤガヤ
「わぁお!カメラばっかりやん!」
会社の前にはすでに報道陣でごった返していた。
「社長!昨日の事件の真相は?」
「犯人の目星はついてるんですか?」
「みなさん!まだ現場検証が終わってないし、詳しい情報が分かりませんし、私は警察じゃないので…」
「あちゃー!社長まで頑張ってるよ!大変だなぁ~まっ!当たり前っちゃ当たり前か。」
俺は報道陣を避けて裏口から会社に入った。更衣室に向かっている途中に健二に遭遇した。
「健二!!」
紹介しておこう。こいつの名前は今井健二。俺と同期で入った奴で、今では親友だ。
「おー隆史!意外と早いじゃん!ってかお前現場見たか?」
「現場?」
「さ、つ、じ、ん、げ、ん、ば!」
「あーまだ見てないな、ってか見たくないし!」
「マジ?お前には野次馬魂がないのか?」
「わざわざ殺人現場なんて縁起悪いもん見たかねぇよ。」
「んも~ノリ悪いなぁ~」
「お前今から料理すんのにグロいもん見たくないべ?」
「じゃあいいよ~俺一人で見てくるもーん」
「行っといで~」
「冷たッ!普通はわかったわかったとか言ってついてくんのが友達ってもんだろ?」
「わかったわかった!」
「じゃあ来てくれんの?」
「行かない(笑)」
「なっ!!!こんのやろ!」
「ハハハ!じゃあ後でな~」
あいつも本当にこんなの好きだな。
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