配達日和

2/6
前へ
/62ページ
次へ
プドゥワライという街がある。 ここは、所属する区の中で最もイベントを盛大に行う街として有名である。 クリスマスツリーは500メートルおきに植えられ、これでもかっというぐらい飾りが付けられている。 どの家にも、イルミネーションが施され、街は夜でも昼のように明るい。 あちらこちらから、フライドチキンや、スープといった料理の香りが漂い、帰宅する者の足を速めさせる。 時刻は、ちょうど9時を回ったところだ。 「そろそろいいかなっ♪電気が消えてる家から配ろっと!」 遥か上空から街を見下ろしていたイリアは、ヒュンと急降下する。 ツリーに当たるか当たらないかの高さで減速し、住宅街を飛び回り始めた。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加