忌子親

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忌子親

コノ子を守り 幾夜も歩く 坊主共が 叫び喚く 「ソノ忌子! ソノ忌子ハ! 捨テテシマエ! イツカ必ズ 災イガ!災イガ!」 コノ子の存在が私の幸福 捨てるなどと 禍言を けたけた ケタケタ 二人で笑う        けたけたケタケタけたケタ     それから幾日 私の異変 異常 少しずつ 少しずつ ぼろぼろ ボロボロ 崩れる身体     「信じぬ!絶に信じぬぞ!」 嘘だ 嘘だ 嘘だ 嘘だ それでも尚 守り進む が 崩れる身見て 叫ぶ 叫び続ける 「コノ子を守ラナけれバ… 守ルことが私ノ幸福なノだかラ…」 女は呟く   それでもボロボロ 止まらぬ崩壊 身体が 四肢が 指が 動かぬ せめて コノ子ダケデモ     全てが崩れ 空へと還る       それを見上げて 見つめていた子供は ただ 静かに 笑っていタ
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