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「どうしよう。
ついに渡してしまった…」
家に帰りついた豪は、自分の部屋のベッドの上で俯せになり
ブツブツと独り言を言っては起き上がり、そしてまた独り言を言いながら俯せになっていた。
「豪くん、お母さんがご飯っち。下行っちょくよ。」
ドアの向こうで声がする。
俺には姉ちゃんが2人いて、上は結婚して家を出たが下は一緒に住んでいる。
トントン…
いつもなら練習ですごくお腹が空いていて、ご飯と言われるとドンドン!と階段を駆け降りるのだが
今日はあの子のことで胸がいっぱいでご飯は二の次だった。
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