≡≡初メール≡≡

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待ちに待った夜になる。 今日は祖父の家に妹弟とお泊りらしい。 『…と言うことはぁ、お父さんもいないし携帯扱える!早くメールできるし☆』 美咲の家は亭主関白で父親が絶対だった。 昔からの暴れ者らしくここら近辺では知らない者はいない。 中学・高校の頃は町中と言わず地区のどこの不良も知っていた程だった。 その暴れた時期があったからこそ今の商売に繋がっていると言える。 美咲の父親は材木屋の3代目だったが 『材木だけでは食べていけない』 と自分の代になるとすぐに建築も始めだし、美咲が小4の時に土木も事業にとりいれた。 この仕事は技術や頭脳だけでは食べていけないし、弱々しい社長だとすぐに潰され自己破産・自殺してしまう所も少なくはない。 経営者はどこもそうだろう。 お父さんはこの時代に不釣り合いな程厳しく 遊びに行くのは受験など問わず2ヵ月に1回。門限5時。泊まりに行くの禁止。下着は白以外のものはダメ。露出した服・化粧なんかはもっての他。 など厳しい決まりが多々ある。 だけど私だって年頃の女の子。 化粧だってするし、露出した服も持っている。 家に帰る時には化粧を落とし、服も着替えるのだけど。 今時の子は絶対にこんな惨めな気持ちなんて理解できないだろうといつも思う。 「じいちゃん、ばあちゃん泊まり来たよ~☆」 じいちゃんやばあちゃんに会えるのも嬉しいけど 今はお父さんからの開放感と球児にメールができる嬉しさで心がいっぱいだった。
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