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「欠陥品は壊さなければいけない………。
私が直るのならば、と思っていましたが……、やっぱりダメなのですか……?」
涙が頬を伝い、床に小さな水たまりを作る
「アルメリア!ミナギが言ったのはそういう意味ではないのだ!!悲しむでない!!」
「そうだって!あんたの話を聞く限り、シバはちゃんとアルメリア自身を愛してくれてるって!だからそんな事考えるなよ!!」
「…っふ…うぇ……、ぁなたたちに、何がわかるっていうんですかぁ!!もう…私なんて、何もできない欠陥品なんて壊れちゃった方が良いんですよ!」
必死に弁護する2人の言葉にも聞き入れようとしないアルメリアが声を出して泣き喚き出した。
シバ本人の口からその言葉を聞かなければアルメリアは分かってはくれないだろうと思い、真実を黙っていた漲だが、そんなアルメリアの一言に堪忍袋の緒が切れた
「お前なぁ!!少しはシバの気持ちも考えたらどうだ!!自分が欠陥だとか役立たずだとか言いやがって!!
自分を辛い立場に追いやってばっかでちっともシバの本当の気持ちを見ようとしてないじゃないか!!
感情があるから何だ?
余計な事を考えるから何だ?
じゃあ俺達人間は全部欠陥だってか?役に立たないってか?!ふざけんじゃねぇよ!!」
下の部屋でシバが寝ているということも忘れ、泣き崩れているアルメリアに向かって大声で怒鳴り散らす
「感情があるから人を愛する事が出来るんだ!感情があるから人それぞれ違う幸せがあるんだ!!
マニュアル通りに動いてればシバが喜ぶと思うか?ただ同じ動きばっかしててそれでシバが幸せになれると思ってんのか?違うだろ!!?
愛は人形遊びなんかじゃない!お前は普通の人形とは違う感情をもって生まれてこれたんだ!シバを愛することが出来るんだ!!それなのに!!
…何で、何でそれを自分から捨てようとするんだよ……!!」
「ミナギ…」
「アルメリアっ!!」
最後は嘆くように、徐々に小さくなる漲の言葉にその場にいた全員が目を見張る
だが次の瞬間、バタンという騒音と共に部屋のドアが開き、どこか焦った様子のシバが現れた
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