11、No title【読み切り/プロット状/病死】

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 誰からも好かれ、好意を寄せられる男性がいる  彼はあまりにも自分の容姿に恵まれすぎていた。    言いよって来る女性は数知れず、声を掛けるだけで女たちは騒ぎ立てる。  そんな生活に慣れ切っていた男性は女という生き物を軽視していた。  遊ぶだけ遊び、自分に好きだと告げるようになったら女をすっぱりと切り捨てる。  つまらない  女とはこんなにつまらない生き物なんだな  そう思い始めたころ、男は一人の少女に出会った  自分を見ても何の反応も示そうとせず、どこにでもいるような一般人と同じ扱いをしてくる。  その表情には変化というものが無く、自分を見るときにはいつもつまらなそうな顔をしていた  男はそんな少女に興味を持った。  この少女を自分のものにしたい、そう思うようになってきた。  しかし、少女は男の思考を全て読んでいた。  少女は男に好意を寄せていた。だが、それを表に出してしまえば自分に向けられる視線が消えてしまう。  こんな暗いだけの自分を見てくれたというのに、他の女性たちのように気持ちを表してしまえば、彼とのささやかな関係も消え去ってしまう  だから少女は、気持ちをこらえて男の前では表情を出さなかった。  出してしまえば、彼から見放されてしまうから。  彼に見てもらえなくなるから  だから、少女は男が傷つこうと、どうなろうと、素っ気ない態度を取り続けた  いつか消える関係だと分かっていても、このほんのひと時を少しでも長く得たいから、だから少女は本当の自分を隠し続けた  ある日、少女は幼馴染の少年に再会した  少年は、少女があの男の事を愛していることを知っていた。 「まだあの関係を続けているのか」と少年が問う 「…うん」少女はあいまいにそう答える  男が言い寄り、少女が流す  その流れをひたすら続けてきた影響もあり、少女の表情の起伏は徐々に少なくなってきていた  少年はそんな少女を心配し、この会話の中だけでも楽しんでもらおうと精一杯色々な話をした。  少女は久しぶりにたくさん笑い、本当の笑顔を出すことが出来た …そんな様子を、男は見てしまった
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