12、No title【最強系/魔物使い/ある種定番】

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「おう!垂れ流し!」 「蛇口開きっ放し!」 「だからボクらはお腹いっぱい」  満腹満腹、と無理やり膨らませた腹をポコポコ叩く3匹  そのふざけた姿に、葉樹はまたくすりと笑う 「あは、使えない魔力だと思ってたけど…、君たちに喜んでもらえて良かったよ。 僕のでよければいつでも食べて良いよ、いっぱいあるしね」 「ホントか!?」 「うん」 「ホントにホントなのか!?」 「うん。好きな時においでよ」 「やっぱりお前は良い人間だ!美味しいだけじゃなくて優しいなんて!」  ひゃっほーいっ!と互いに手を打ち鳴らす魔物たちを見て、葉樹は初めて自分が必要とされたと内心喜んだ  ただの石ころだと思ってた魔力が、たとえ魔物でも役に立てた  葉樹はただ、その事が嬉しかった 「ところで、君たちは何ていう魔物なの?目が付いた魂みたいだけど…初めて見るよ」  大分話が落ち着いてきたところで、先ほどから気になっていた質問を投げかけてみる。  家に保管されている書物や学校の図書館など、様々な書を見てきた葉樹だったが、目の前で浮遊している魔物の形状は今まで見たどの書物にも書かれていないものだ  最も、魔物というジャンルは未だに解明されていない部分が多いのだが、それでも好奇心の強い葉樹にはどうしても知りたい内容だった 「ボクらはまだ赤ちゃんなのさっ!」 「自然発生で生まれたからまだ名前が無いのさ!」 「育つ環境や、食べる魔力によってどんな魔物になるかが変わるのさ!」 「……そうなの?」  そうともー!と声が揃う 「え、え…、じゃあさ、自然発生…っていうのは?お母さんから生まれたんじゃないってことなの?」 「そうとも!ボクらはこの森に漂う魔力から発生した"自然発生型"の魔物なのさ!」 「でもでも、ちゃんと母体から生まれる魔物だっているんだぜい!」 「その場合はボクらみたいな魂じゃなくて、ちゃーんとした魔物の形で生まれてくるのさ!」 「す、凄い…!魔物にもそんな違いがあったなんて…!」  葉樹は初めて知った魔物の生態に驚きの声を上げる  だが、魔物たちはこんな切り返しをしてきた
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