12、No title【最強系/魔物使い/ある種定番】

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「でもでも人間にだって色んな違いがあるだろ!」 「不味いやつと美味いやつ!」 「つまんないやつと楽しいやつ!」 「魔法が苦手なやつと得意なやつ!」 「武術が苦手なやつと得意なやつ!」  それとね、それとね、と繋ぐ 「魔法が使えないやつ!」 「そう、キミだよキミ!」 「そしてキミにも種類がある!」  魔法が使えないやつ、と言われた瞬間ショックを受けた葉樹だったが、それに続いた言葉で少しだけ立ち直った 「…種類…?」 「そうとも!魔法使えない人間にも種類があるのさ!」 「一つは魔法使い!いろんな魔法使うよ」 「それでも魔法使えないヤツは才能無かったって事!」  これはお前じゃないよ、と横槍が入る 「お次は召喚師!召喚魔法しか使えないよん!でも召喚した魔物の力は召喚師のもの!」 「それから魔物使い!魔法全然使えないけどボクら魔物とお友達になれるのさ!」 「ちなみにキミは魔物使いっぽいね!」 「…魔物使い?」  初めて聞く単語に葉樹は不思議そうに答える 「レアだよレア!最後に出たのっていつだっけ?」 「いつだっけ?100年前?」 「もっと前だよ、500年前の天魔戦争の時!」 「えっ!?天魔戦争!!?」  ノンストップに繰り広げられる会話に少々ついて行くのが大変だったが、天魔戦争という単語に葉樹が大きく反応する 「お!知ってんのか?」 「知ってるも何も……!歴史の中で一番有名な戦争だよ!」 「お~う!有名!」 「わ~お!有名!」 「戒律が厳しすぎる天界に不満を持った魔族たちが起こしたっていうあの戦争でしょ?」 「そうそう!だがそれだけじゃ弱い弱い!」 「え?」 「一番のメインは、魔物たちを率いてたのが一人の人間だったってとこなのさ!」 「そいつが魔物使い!そもそもの発端は、この人間の恋人を神様に取られたからさ!」 「無理やりな、無理やり!」  魔物たちの弾丸トークはまだ続く 「なのに天界の奴らはこう言ったのさ!」 「神への供物となったのだ、感謝しろ」 「ってね!」  大根役者のように力を入れた口マネをする一匹。  その口調に笑いがこみ上げたが、初めて聞いた戦争の真実に葉樹は驚きを隠せなかった
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