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「何だよその煮え切らない返事は…
お前神代家の人間なんだろ?なんで使えないんだよ?」
「な、何でって聞かれても……むしろ僕が知りたいくらいで…」
まさか"魔物に与えるための魔力だから魔法に変換出来ないんだ"とは言えないので、それらしい返答でごまかす
了はその答にしばし唸り、何かを思いついたのか声を上げた
「まぁ、窮地に立てばなんとかなるだろ!」
「・・・。へっ?!」
「うーっし!いっくぞ!」
「え!ちょ、まって…!何で右手に魔力溜めて……」
「問答無用っ!」
突然パッと顔を上げたと思ったら了はいきなり攻撃を始めた
当然葉樹は防御や回避の魔法が使えなので、持ち前の運動神経だけでどうにか避ける
普段であればこっそりひっそりと3匹の魔物たちに手助けしてもらうのだが、ここは教室。
助けを借りることは勿論、会話すら堂々と出来ない
了は周りが見えていないのか、お構いなしに火属性の魔法を連発しては葉樹を追い詰める
「おら!魔力を固める感じに放出すれば盾になるんだから防御魔法くらい使って見せろよ!!」
「無茶言わないでよ!!」
「無茶じゃねぇ!出来る!やれ!!」
そんな了の言葉に魔物たちがケラケラと笑う
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