14、12の続編

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『スパルタだな!』 『うん、スパルタだね!』 『でもでも、相手の事を理解しないで無理難題を突き付けるのは特訓なんかじゃないね。ぼーりょくだ』 ぼーりょくだー!と声を合わせる 3匹のうち、青い魔物が葉樹に近づく 『よーきどーする?アイツやっつける?』 「……」 教室で下手に口が出せるはずがなく、葉樹は答えない 『ねーねーどーすんのさ?無口キャラ?』 『やめとけって!ボクらは周りに見えてないんだからコイツは答えないって!』 『そっかぁ、不便だね…』 『ボクらはお呼びがかかるまでここで傍観してればいいのさ!』 3匹はふよふよとのん気に談笑しながら、必死に逃げ回る葉樹を見ていた ふと、了の右手に集約された魔力が大きくなった 「これで、どうだっ!!【炎龍創造】」 「えぇっ!?」 今まで基本魔法を応用した炎弾を放っていただけだったのだが、何を思ったのか了は上級魔法である炎龍という魔法を発動させる 彼の周囲を取り巻くように龍を模った炎が現れ、彼の言葉を合図に葉樹に、ひいてはクラスの人々に向かって飛びかかってきた 『ありゃー?あの人間はバカなのか?』 『バカみたいだね、周りが見えてない』 『よーきどーすんだ?お前は避けれるだろうけど……』 3匹は声を合わせる 『お前の後ろにいる人たちは危ないんじゃない?』 「―――っ!!」 その言葉に葉樹は後ろを振り向いた 了の理不尽な攻撃に教室から逃げ遅れ、隅に避難してきていたクラスの人たちが慌てふためいている そもそも、了が…といよりも、高校1年生が上級魔法を使える事が極稀なのだ 緋澄家で訓練を積んできた了だからこそ平然と使っているが、普通の同年代であれば初級魔法、多少なり才能があれば中級魔法が使える程度。 とてもじゃないが一人一人が防御魔法を使ったとしても守り切れる威力ではない そしてこの狭い教室内。炎龍が向かってくるまでにもう数秒と無いだろう 葉樹は咄嗟に叫んだ
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