10人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
15、ただのネタ
『人間という生き物は薄っぺらい。』
誰かがそう言っていた。
本当にそうなのかな?
本当に薄っぺらい存在なのかな?
……僕にはそう見えない。
人間という存在は薄っぺらいんじゃない。
薄っぺらい部分しか見せないようにしているだけなんじゃないかな。
服で全身を隠し、化粧で本当の姿も隠す。
言葉で本心を隠し、知識で事実を隠す。
隠して、隠して、隠して、隠して……
『自分』という存在の全てを隠して、上辺だけの自分を晒し生きていく。
それが僕らなんじゃないかな。
なんて、最近思うようになった。
全てを隠して生きる僕らにとって、『僕』という1人の存在は一つしかない。
……言葉が悪いかな、表現しにくいけど……つまり、僕の考えている『僕』という存在は、あくまで自分の中にしか居ないということ。
僕は自分の事を何て事は無い一般人だと思っているけれど、もしかしたら僕の友達は僕の事を『つまらない奴』だと思っているかもしれない。逆に他の人は僕の事を『面白い人』と思っているかもしれない。
つまり、僕という存在は、僕と関わりを持つ全ての人が作り上げてるってこと。
本当に薄っぺらい存在というのはきっとそれなんだろう。
上辺だけの、薄っぺらい紙でできた箱だけがまず用意されるんだ。
空っぽで薄っぺらい存在。まずはそれが人1人分のスペース。
そこに誰かが勝手に中身を詰め込んでいって、その人オリジナルの存在が出来る。
だから人間は薄っぺらいと言われているんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!