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「はぁ・・・・・・、葉樹も苦労するな・・・」
『何を言う!こんなにプリチィな僕らに癒されこそすれど、苦労するいわれは何処にもない!』
鳥とトカゲを2で割ったような赤い魔物が腰(?)に手を当て腹を突き出す。
つやのある白い腹が蛍光灯に照らされキラリと輝く。
「はいはい、ひんやりぷにぷにの腹が気持ちいのは十分分かってるから。俺が言いたいのは1人でも騒がしいお前等の世話を毎日やってる事に対する気苦労の方向な。ちゃんと察してやれよ?」
突き出た腹を人差し指でつつきながら言う樹に、わひゃひゃひゃひゃ!と笑い転げる赤いトカゲ。
黄色い猫と青いネッシーのような魔物もいつの間にか両肩に乗っており、3匹は「まぁ任せておけ!」と声を揃えた。
「そういえば、お前等なんで来たんだ?布団潰しに来ただけならもう帰ってほしいんだが。まだ仕事も残ってるし」
『なんだ、この兄は冷たい奴だな。アイスハートだ』
『葉樹が困ったときにはホットスタンバイ方式ですぐさま仕事を切り上げられるのにね』
『知ってるぞ、そういうのブラコンて言うんだ!』
ブラコーン!と声を揃えて舞い上がる。
「あーもう、少しは静かにしろって。お前等は寝なくていいかもしれないけど、人間にとってはそろそろ就寝時間なんだから」
『今から仕事しようとしてる奴が言っても説得力無いぞブラコン』
『そうそう。そういうセリフは自分が寝る準備に入った頃に言うものなんだよブラコン』
『ボクらは朝までここにいるつもりなんだからちゃんと監督してやるんだからなブラコン』
「ブラコンブラコンうるせーーーー!!って・・・朝まで?そりゃまたどうして・・・」
さりげなく今知った事実に、説教してやろうと思っていたのも忘れ聞き返す。
魔物達は「ふっふっふー」と含み笑い、用意していた言葉を口にした
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