3、No title【シリアス/短篇】

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リタとラグは孤児だった。 二人は物心付いたときから一緒に暮らしていて、ラグがギルドや大会などを利用して生活費を稼ぐといった生活を送ってきていた。 また、二人は首都から少し離れた小さな村で孤児院を開いていて、自分達のように親のいない子供達を引き取って生活しているのだ ラグは生まれつき魔力の量が多く、また才能にも恵まれていていた。だからまだ15のラグでも生活出来るだけの資金を稼ぐことが出来るし、子供達を養っていくだけの力もあった 夜、ラグは1人森の中にいた。 別段何をするわけでもない。ただ、孤児院の皆に見られてはいけないことがあったのだ 「―――っ!!…っぐぁ、あ……!」 彼は両手で胸を押さえ、苦痛に表情を歪めていた。 しかしラグは動揺するわけではなく、大声を上げるわけでもなく、ただその場で悶え苦しむだけだった。痛みが引くまでそうしているのだ。 心臓を握りつぶされたような鈍痛が胸を中心に全身に広がる。 その痛みが血液のように全身に巡り、ついには脳にまで達する 何時間そうしていただろう…。 ラグを襲う痛みが徐々に引いてきた。次第に彼の表情からも苦しさが消えて穏やかなものになってくる 完全に痛みが消えた。 ラグからは先程までの拷問の様な痛みに苦しむ表情が消えてた安堵の笑みが漏れる。あまりの疲労感に座っているのも億劫になり、ラグは地面に寝そべり空を見上げた。 それは彼の痛みや苦しみなど小さく思えるような、広大で無限の空だった
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