3、No title【シリアス/短篇】

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魔法を使った後はいつも激痛が走る その度に僕はこの森にやってきては空を見上げる そこには何の意味も無いけど、この大きくて広い空や、何億もの星を見ていると自分の痛みが小さなものに感じられるんだ 僕は普通の人と違っていた 普通なら魔法を使うだけで身体に激痛が走ることなんて無いのに、何故か僕にはそれがある。 それからもう一つ 僕はあと何回魔法を使えるのかも、感覚でだけど分かる。 普通なら消費した魔力は時間が経てば回復するから死ぬまで魔法は使えるのに、何故か僕には限界があった 残り3回 どれだけ魔力を込めようが関係ない。あと3回魔法を使えば僕の魔力は枯渇する 魔力とはつまり生命力の事。 それが枯渇するということは―――――――……… ……止めよう。 僕にはリタや子供達が不自由しないようにお金を稼がなきゃいけない。 ここで死ぬなんて出来ない 今から魔法は使わない事にしよう 収入は少し減ってしまうけど、僕が消えてゼロになるよりはずっとマシだ その分仕事の量を増やせば良い ―――――僕には、あの子達を立派に育てる責任があるんだから………
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